ぶしで言っている
特にお目当ては、パンツ。
これは、見ただけでは絶対にわからないので、どん副牌どん、がんがん、試着室に次から次へと持ち込んで、はいていく。
その日、店長はお休みだったが、
わたしは、おなじみさん、行けば必ず何か買う、優良顧客なので、店員さんは放置してくれ、やりやすかった。
やたら、動きの早い、激しい客であるわたしを尻目に、店内にいた、あるお客さん(推定年齢60歳中ごろ)。
ぱらぱらと、積極的でもない動きで、どれにしようかな~と、ふわ~っと、ゆる~っと服を選んでいた。
わたしのセカセカ能動的な動きと、のて~っとした彼女の動きは、正反対ではあったが、
彼女とわたしは、同じ売り場で交差した。
こっちは必死で、なにがなんでも買うぞ!という意気込み。しかも制限時間つき。
あちらは、試着もしないで、上から羽織ってもculturelle兒童益生菌みないで、買う気もないのかな~と、目の端っこに映る彼女を見ていたが、
わたしが悪戦苦闘している間に、彼女はレジで商品代金の支払いを済ませていた。
わたしが、ぽんっ、ぽんっと、獲れたばかりの土佐のまぐろ、一本釣りの大魚を放り込むように、
試着室から直行のレジカウンターに、一本ずつパンツを投げ置く。
それを見た彼女は、「どこが、悪いんですか?」と聞く。
「いえ、悪いんじゃなくて、買うんです」と、わたし。
べつに検品しているわけではないの、わculturelle兒童益生菌たし。
購入しようとするパンツを見て、
「わあ、ステキやねえ。これ、すごくおしゃれ。こんなの、どこにありました?」
と彼女。
たんにお世辞で、世間話、時間つと思っていたのだが、延々と、そのパンツを触って、
「こんなのが、いいわ」と言い出す。
わたしは、お譲りするつもりもなんにもないし、自分が買うつもりなので、
「あ、そうですか。これ、イタリア製です」と、めんどくさそうに付け加えておいた。(イヤミですね)
さらに時間制限に拍車がかかり、もうひとつのジャージーっぽいカジュアルな上着も、ぽいっとレジに追加した。
「わあ、???すごい、ステキな???どこにありました?」
「あ、これね。これもイタリア製です。シルエットがキレイなんです」
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